
南伊豆町のダイビングショップが加盟する「神子元(みこもと)ダイビング組合」が5月24日、14回目となる環境保全活動「神子元島水中クリーン作戦」を南伊豆沖の神子元島で行う。
前回開催時の様子、イベント看板と収集した海洋ごみ(関連画像5枚)
神子元島は、周辺の複雑な地形と黒潮の影響により、多い時には数百匹のハンマーヘッドシャーク(シュモクザメ)が群れる姿を見ることができる世界的にも珍しいダイビングスポット。ハンマーヘッドシャークのほかにも、カンパチやワラサといった大型の回遊魚や、イサキ、アジ、タカベなどの群れが眼前を覆う光景が広がり、海外から訪れるダイバーも年々増加している。
今回は、4つのダイビングショップの常連客を中心に、全国から約150人のダイバーが参加予定。神子元島周辺の海に一斉に潜り、海中の釣り具や漂流物などの海洋ごみを回収する。
清掃活動の後には、波止場の休憩会場でダイバーたちに地元食材を使ったカレーやみそ汁を振る舞う。食後には、伊豆漁業協同組合やダイビング用品メーカーなど協賛各社が提供する商品による抽選会を行い、参加者の楽しみの一つになっている。
ダイビング船「辰丸」の船長、竹内照裕さんは「この清掃活動が終わると、本格的なダイビングシーズンが始まる。毎年、多くのダイバーが南伊豆の自然を守るために、遠方から駆けつけてくれている」と話す。
黒潮の潮流は、ダイバーにとってサメや大型回遊魚と出合う貴重な機会をもたらす一方、地元漁業への悪影響も懸念されている。竹内さんは「黒潮の大蛇行の影響で、南伊豆近海の水温が上昇し、海藻が磯焼けして伊勢エビやアワビの漁獲量が減っている」と話す。
「先週、気象庁が約8年にわたって続いていた黒潮の大蛇行が終了する見通しを発表した。水温の異常な上昇が収まれば、海底の清掃活動は海藻による『海の森』の再生に、より大きな効果をもたらすかもしれない」と期待を込める。
参加費は1万8,700円。参加申し込みは現在、キャンセル待ちで受け付けている(海況不良の場合は中止。