
下田で最も多くの人が集まるイベント「黒船祭」が5月16日に開幕した。米海軍をはじめ、アメリカからも多数のゲストが訪れ、会期中は下田の街が国際色豊かなにぎわいを見せる。
下田八幡神社の「下田音楽祭」には米海軍の水兵たちも集まった(関連画像15枚)
1934(昭和9)年に始まった黒船祭は、下田開港に尽力した人々の功績をたたえ、世界平和と国際親善を目的とする歴史ある祭典で、今年で第86回を迎える。
16日は開会に先立ち、午前から昼にかけて市内の小学校で日米交流会が開かれた。稲生沢小学校(下田市立野)には米海軍の水兵たちが訪れ、体育館でのゲーム大会や給食を共にするなどして児童たちと交流を深めた。
13時からはペリー上陸記念公園(三丁目)で献花式が行われた。松木正一郎下田市長やニューポート市訪問団をはじめ、日米双方の関係者が参列。地元の園児たちと手をつなぎながらペリー像の前に花を捧げた。
17時には街なかに多数の屋台が並ぶ「開国市」が始まり、街全体が一気に祭りムードに包まれた。屋台グルメを楽しむ人からは「外で飲むビールは最高」などの声が聞かれた。
日が傾く頃からは、フラダンスショー「フラホーイケ」がまどが浜海遊公園(柿崎)で開かれた。地元のフラダンス教室の生徒などが大人から子どもまで次々と出演し、下田湾を背に南国ムードあふれる踊りを披露した。
さらに同じ頃、下田八幡神社(一丁目)で「下田音楽祭(SHIMODA MUSIC FES)」と題したライブイベントが開かれた。参道にも屋台が並ぶ中、社殿に続く階段下にある神門に設けられた特設ステージでは、松室政哉さん・浜端ヨウヘイさん・まきちゃんぐさんが出演。プロアーティストたちの音楽パフォーマンスに、観光客だけでなく米海軍の水兵たちも集まり、音楽に合わせて手拍子をしたり手を振ったりする姿が見られた。
昨年は強風の影響で2日目に延期された「海上花火大会」も、今年は予定通り開催。会場周辺では交通規制が行われ、県外ナンバーを付けた車の姿も多く見られた。下田港から約30分間にわたって花火が打ち上げられ、黒船祭初日を締めくくった。観客席のあちこちから歓声があがり、河津町から訪れていた女性からは「珍しい花火を多く見ることができた。特に一番最後の花火が圧巻だった」といった感想も聞かれた。
祭りは今月18日まで続き、17日には記念式典や公式パレードが予定されている。