「暮らしに滞在する」をコンセプトに、地域の日常に触れる体験を提供している宿泊施設「ローカル×ローカル」(南伊豆町下賀茂)が3月20日で5周年の節目を迎えた。
同施設を運営するのは、2018(平成30)年から3年間、南伊豆町で地域おこし協力隊として活動した伊集院一徹さん。任期終了後も同町に残り、漫画家として執筆活動を行う傍ら宿を切り盛りしてきた。外部からの視点と地域住民としての感覚をバランスよく持ち合わせ、独自の場づくりを続けている。
同施設が重視するのは、宿泊にとどまらない「地域住民との交流」や「生活体験」。宿泊者は、畑仕事の手伝いや食事の共有、地域の伝統行事への参加などを通じて、一般的な観光では見えにくい南伊豆の素顔に触れることができる。単なる「消費」としての観光ではなく、地域との継続的な関係性を築く滞在スタイルを提案している。
近年ではその役割も多角化しており、移住希望者へのアドバイスや、滞在制作を行うクリエーターの拠点としての機能も果たしている。宿泊者同士や地域住民が交差するハブとなり、新たな関係人口の創出にも大きく貢献している。
「特別なことを用意するのではなく、地域の日常そのものに価値があると感じてもらえたら」と話す伊集院さん。「また帰ってきたいと思える関係性が生まれることが、この場所の役割」とも。
客室は全5室。和モダンを基調としたタイプや長期滞在向けのタイプがあり、定員は2~4人。料金はシーズンによって変動するが、1泊1人6,500円~。
5周年を振り返り、伊集院さんは「人が集まることで、町の風景も少しずつ変わってきているのを実感している。これからも地域の人たちと一緒に、この宿を起点にさらなるにぎわいをつくっていきたい」と意欲を見せる。