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空き家再生物件に光のアート 「イナトリ・アート・フェス」に2000人

癸生川英子さんが描いたイナトリ・アート・フェスのフライヤーと実際の稲取の風景

癸生川英子さんが描いたイナトリ・アート・フェスのフライヤーと実際の稲取の風景

 まちを歩いてアートに触れるイベント「第3回イナトリ・アート・フェス」が2月6日~23日、東伊豆町稲取地区で開かれた。古民家を再生した宿泊施設などを会場に、5組のアーティストが作品を披露。期間中、町内外から約2000人の来場者が訪れた。

室内からみた池田ひとみさん、明石雄さんによる「イナトリの星月夜」(関連画像10枚)

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 同イベントは、同地区を中心に空き家再生を手がける「so-an」(東伊豆町稲取)が企画・運営。2024年から毎年この時期に開催しており、運営する宿泊施設「湊庵 路考茶(ろこうちゃ)」に、伊豆半島南部の文化や活動が集まるアートセンター機能を付加するプロジェクトの一環としてスタートした。

 3回目となる今回のテーマは「光」。メイン会場の「湊庵 路考茶」に加え、街なかの5拠点で展示を行った。

 メイン会場では、特殊照明作家の市川平さんが既存の古い灯柱を生かしたインスタレーションを展示。現実空間に過去と現在が重なり合うような、だまし絵的な光景を演出した。回転する水銀灯にスマートフォンをかざすと周囲が緑色に浮かび上がる仕掛けもあり、日没後は光と影が揺らめく幻想的な空間が広がった。

 屋外では、建築家の安部良さんと東京芸術大学・安部研究室のチームが、稲取の路地調査を基に考案した通路を展示。室内では、池田ひとみさんと明石雄さんがゴッホの「ローヌ川の星月夜」を毛糸編みで再現した作品や、白須純さんが稲取の古地図を描いたタイル壁画「今昔伊奈等利之図」が並び、来街者の目を楽しませた。

 さらに、伊豆稲取駅前の「まちのレセプション ようよう」での映像上映や、コミュニティースペース「ダイロクキッチン」、総菜店「なぎ」でも市川さんの作品を公開。私設図書館「まちライブラリー 日和文庫」では、古屋郁さんが猫や日常の輝きを描いた銅版画展を開き、路地裏ののどかな景観と調和した展示構成となった。

 同イベントのディレクターを務める癸生川栄(きぶかわ・えい)さんは「東海岸を南下して友路(ともろ)トンネルを抜けると、眼前に稲取岬の街並みが唐突に目に飛び込んでくる。この懐かしくも異国情緒を感じさせる景色こそが稲取の魅力」と話し、「坂道の路地裏に猫がたたずむ街の個性を生かし、時間や空間を超えた光の反射を意識して作品を配置した。アートを通じて、日々の暮らしやまち歩きが新鮮な体験になれば」と期待を寄せる。

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