全国の灯台を擬人化したプロジェクト「燈(あかり)の守り人」とコラボレーションした「おしゃべり自動販売機」の除幕式が11月22日、石廊崎オーシャンパーク(南伊豆町石廊崎)駐車場で開かれた。
「燈の守り人」は、ワールドエッグス(東京都港区)が手がけるメディアミックスプロジェクト。日本各地に点在する灯台の歴史や魅力を掘り下げ、オリジナルキャラクターや物語として表現している。石廊埼灯台も2023年9月、同プロジェクト第43弾でキャラクター化された。
今回設置した自動販売機は、ダイドードリンコ(大阪市北区)との共同企画。伊東市の門脇埼灯台、御前崎市の御前埼灯台に続く設置となる。自販機には、石廊埼灯台のキャラクターをラッピングしており、商品購入時には「お疲れさま、よく来たな」など、キャラクターのボイスが流れる特別仕様となっている。キャラクターボイス(CV)は、アニメ「ウマ娘 プリティーダービー」などで知られる声優・上田瞳さんが担当している。
除幕式には、岡部克仁南伊豆町長や関係者、ファンなどが集まり、新たな観光コンテンツの誕生を祝った。会場では、観光客向けの「旅先クイズ会」も開いたほか、上田さんからの「地元の方に愛される石廊埼灯台のように、キャラクターも一層愛されるようになれば」という祝いのメッセージも披露した。
岡部町長は「石廊崎は景観に厳しい基準があるため、設置実現には約1年を要した」と振り返り、「ここに新たな魅力が加わることで、より多くの方に来ていただけるきっかけになれば」と期待を寄せた。
京都から駆けつけたという粟津直也さんは「最近ファンになった。石廊埼灯台の声を担当している上田さんも京都出身なので来てみたいと思った。石廊崎は岬の先端まで行けるのが素晴らしい」と感想を話す。
プロデュースを手がけたワールドエッグスの高田瑛さんは「ボイスドラマを聴いて石廊崎灯台への理解を深め、灯台そのものを旅の目的にしてもらいたい」と話し、「役場の皆さんが一年がかりで調整してくれたことに感謝している。自販機も灯台も『暗闇で光る存在』としてシンクロ性があるのでは」と、新コンテンツの魅力を強調した。
石廊崎オーシャンパークでは今後も、「燈の守り人」と連携した取り組みを進めていく予定。季節が冬へ移りゆく中、灯台と自販機が放つ光と声が来場者を迎える。