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東伊豆町に「ヒトハコ古書店」 14組の本棚オーナーが選んだ本を販売

「bookend ヒトハコ古書店」外観

「bookend ヒトハコ古書店」外観

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 1箱分の本棚に好きな本を並べる一箱本棚オーナー制度で選書された本が並ぶ古書店「bookend ヒトハコ古書店」(東伊豆町稲取)が2月15日、国道沿いのガソリンスタンド跡にオープンした。

店主の田邊詩野さん(関連画像7枚)

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 店主の田邊詩野(うたの)さんは富士市出身。編集プロダクションや新聞社での勤務を経て、個人出版社「子鹿社」を立ち上げた。新聞社時代に伊豆のジオパークを紹介する書籍に関わった縁で、伊豆半島の成り立ちや歴史に興味を持つようになり、稲取に移住した。

 本は田邊さんが仕入れるのではなく、本棚を14区画に分けて貸し出し、オーナーがそれぞれ自分の推薦本を陳列するスタイル。用意した区画はオープン前に全て埋まった。「一箱ごとにオーナーの個性やテーマが表れていて、見るだけでも楽しい」と田邊さんは話す。

 もともと国道に面したガソリンスタンドで空き物件だった建物を、友人たちの協力を得て、子鹿社の事務所兼古書店として再生した。本棚は事務所とは別の独立した建屋とし、田邊さんの「セーヌ河岸に並ぶ露天の本屋のように、半分外で本を並べたかった」という思いから、前面をフルオープンの引き戸にし、本棚を正面に配置した。

 建具やテーブルなどの什器をはじめ、内装のほとんどに古材を使用。パートナーの宮下伸輔さんが全て手作りした。本の値札も、印刷会社から廃棄される紙を譲り受け、自らカットして作成している。

 「できる範囲で静岡の食材を使った朝喫茶も」との考えから、コーヒーや軽食などを不定期に提供している。仲間たちの蔵書を貸し出すライブラリーも準備中で、完成すればテラスから相模灘の眺望を楽しめる。

 「昔の家では、縁側で近隣の人たちとお茶を飲みながら会話を楽しみ、そこには人付き合いの基本となる配慮や敬意があった。そうした場があると、日々が豊かになると思う」と田邊さん。「そんな場が欲しくて作ったのがこの店。私の場合、その縁側が本棚だった。近所の縁側のように、気軽に立ち寄ってもらえる場所になれれば」とも。

 ライブラリーは3月15日にオープンを予定。ワインや食事を楽しめるオープニングイベントも計画している。

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